足立区の未来
向けたアクション

小さな一歩の積み重ねで、
足立区の未来がつくられています。

2024.11.15
レポート

環境で人生が左右されないよう食と人の温かさをすべての人に届けたい

施設内には子どもたちが楽しめる遊具や本が揃います

企業や団体・市場から寄付された米や野菜

足立区内で経済的に困窮する子育て世帯を支援するべく立ち上がった一般社団法人チョイふる。法人オフィス兼「あだちキッズカフェ」の開催場所でもある「こそだて図書館」にて、代表理事である栗野さんに活動への思いについて伺いました。

PROFILE

一般社団法人チョイふる

経済的に困難を抱える子どもたちが「チョイス」(選択肢)を「フル」(たくさん)に感じられる社会を作りたいと2018年から活動を開始し、2021年に法人化した一般社団法人チョイふる。足立区内の子育て世帯を対象に、食料支援、子どもたちの第三の居場所作り、オンライン上の公園「あそば~す」、LINEを活用した子育て支援情報提供・申請伴走事業を実施しています。

一般社団法人チョイふる
https://www.choice-ful.or.jp/

栗野泰成さん
足立区千住在住。一般社団法人チョイふる代表理事

一般社団法人チョイふる

困窮子育て家庭の選択肢を広げるきっかけに

チョイふるの事業は大きく分けて3つ。1つ目は、経済的に困窮した子育て家庭へ向けた食料支援。2つ目は「あだちキッズカフェ」のような、子どもたちが過ごせる居場所の提供。3つ目は、先に挙げた2つの事業で知り合った家庭を、必要に応じて社会福祉士など既存の支援へと橋渡しする活動です。ボランティアの登録者は200人以上。その内の半数は足立区在住者ですが、中には都外から1時間半もの時間をかけて応援に駆けつけるスタッフもいるのだとか。

3つの事業の中でも、栗野さんが特に力を入れているのが、食料支援です。青年海外協力隊としてアフリカのエチオピアを訪れた際、貧困に苦しむ人々、特に子どもたちの姿を目の当たりにした栗野さんは、「何かできることがあるはずだ」と強く感じたそうです。帰国後、その信念を胸に、まずは身近なところからと、足立区で困窮子育て家庭へ向けた食品配達サービス「あだち・わくわく便」を始めました。

活動の根底には、栗野さん自身が経済的に苦しい環境で育った経験があります。生まれ育った環境で人生の選択の幅が狭められてしまうことを実感し、「困難を抱える人々とつながり、必要な人に必要な情報を届けることで、選択肢を広げたい」という思いでチョイふるの活動を続けてきました。エチオピアでは生活が困窮した人は一目で分かったそうですが、日本だと見た目だけでは判断しにくい。だからこそ、支援を受けるべき方にこちらから手を伸ばしたいと栗野さんは考えています。自ら家庭に赴く「あだち・わくわく便」のスタイルは、まさにこの思いから生まれたものでした。

チョイふるでは、ゲームをしながら利用者同士が交流できるオンライン上の公園「あそば~す」も提供しています。食料支援とは異なる内容ですが、目指すゴールは同じ、みんなが協力して支え合う世界です。将来は様々な困難を抱える子どもやその保護者の方たちが、悩みをワンストップで相談できる拠点も作りたいと語る栗野さん。「貧困」という言葉がなくなる未来を実現したいという願いは、SDGsの「誰一人取り残さない」という理念に深く共鳴します。

関連するSDGsゴール

目標1
目標2
目標11

Words for the Next!

未来の足立を見据える「一般社団法人チョイふる」栗野さんの語録

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ライター

もともと教育や生活支援にご興味があったのでしょうか?

栗野さん

はい。小学校の教員を務めた後、スポーツ教育普及のため青年海外協力隊でエチオピアへ渡り、帰国後は大学院で学びながら働いていました。北千住に住み始めたのも、大学院のあったつくば市と職場のあった都心の両方に通いやすいと思ったからなんです。

ライター

実際に暮らしてみての印象はいかがですか?

栗野さん

とにかく住みやすいですね。安くて美味しい居酒屋がたくさんあるのも嬉しいですし。それに、地域のお祭りやイベントが盛んに行われていて。将来子育てをするなら足立区がいい、と思うほど気に入っています。

ライター

あらゆる世代が賑やかに、楽しく過ごせそうですね。最後に、今後の目標についてもお聞かせください。

栗野さん

まずは区内に「あだちキッズカフェ」のような拠点をたくさん作って、困窮家庭にリーチする仕組みを作っていきたいですね。足立区はSDGs未来都市に選定されているだけあって貧困対策にもとても力を入れているので、こういった活動を通じて貧困の連鎖解消に貢献出来たらと思います。