足立区の未来
向けたアクション

小さな一歩の積み重ねで、
足立区の未来がつくられています。

2024.12.20
レポート

創意工夫と地域協力で食に対する知識や体験を親子の生活に溶け込ませたい

足立区・花畑に拠点を置く「おうち食育協会」は、親子で楽しく食への興味関心を育む「おうち食育®」を推進している団体です。フードロス削減などSDGs的な視点も積極的に取り入れて活動されている代表の阿部あきなさんに、これまでの歩みと、これからの展望について伺いました。

PROFILE

おうち食育協会

「子育てママが本当に知りたいと思う食育・子育て情報を伝える」ことをコンセプトに活動をしているおうち食育協会。本来なら捨ててしまう野菜の切れ端を使った「はじっこお野菜スタンプアート」や食育教室、子ども食堂、フードドライブの開催など精力的な活動を行っています。

https://healthy-and-smile.com/

阿部あきなさん
「おうち食育協会」代表

おうち食育協会

家族で楽しく、「食」と触れ合う機会を

子どものころから母親が料理をする姿を見ているのが好きで、よくお手伝いもしていたという阿部さん。学生時代にも飲食関係のアルバイトをこなし、やがて阿部さんも母親になりました。子育てで多くの人が負担を感じるというベビーフードや離乳食作りですが、阿部さん自身はとても楽しく取り組めたそう。そうした経験と幼少期から持っていた食への興味が合わさり、食育に携わるきっかけとなりました。

その後、「子育てママが本当に知りたいと思う食育・子育て情報」をコンセプトに食育教室をスタート。正しい知識や実際の体験に基づいた情報を共有することで、ネット上にあふれる情報に惑わされず、保護者たちに安心して育児の選択肢を広げてもらいたいという願いのもと活動を始めました。

阿部さんが感じたのは、小さな子どもは「食と直に触れ合う」機会が少ないということ。そこでツルツル、ザラザラといった野菜それぞれの手触りを楽しめる「野菜スタンプ」を考案しました。けれども、食べられる部分をスタンプにするのはもったいないため、本来なら捨てられる部分の「はじっこ」を使うことに。こうして誕生した「はじっこお野菜スタンプアート」は、各家庭で気軽に遊べる上に、子どもが食材への興味を持つようになったともっぱらの評判です。

また、協会では「すまいる食堂」という子ども食堂も開催。卵や小麦など8大アレルゲンの食材を使用せず、生活保護受給の有無の縛りも設けていないため、多くの人が安心して利用できます。阿部さん自身も調理師としての経験を存分に発揮し、学校給食風の献立を用意したり、「給食のおばさん」としてのエピソードを披露したりして、子どもたちを楽しませているそうです。今年6月には、花畑地区の自治会と協力し、各家庭で余った食品を再利用するフードドライブを実施。今後は、困窮した方たちに食品を配布するフードパントリーにも挑戦したいそうです。食にまつわる阿部さんの活動は、これからも続いていきます。

関連するSDGsゴール

目標1
目標2
目標12
目標17

Words for the Next!

未来の足立を見据える「おうち食育協会」阿部さんの語録

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ライター

SDGsを意識しはじめたきっかけについて教えてください。

阿部さん

飲食業界で働いた経験が長かったので、廃棄されてしまう食品をどうにかできないかという思いが強くありました。初めは割と軽い気持ちであだちSDGsパートナーに登録したんです。でも、実際に交流会に参加してみて、区内でこれほどまでに大勢の方がSDGsに関心を持って取り組んでらっしゃるのかと感動しました。

ライター

足立区に住んでみてどのような印象を受けましたか?

阿部さん

区画整理がきれいで公園も多く、子育てしやすそうな街ですね。それと地域の皆さんは、横のつながりをすごく大切にされているんだな、と。やりたいことがあったときに、それなら誰々さんがいいよと紹介してくれたり、自分の知らないところで話が通っていたりして。人のために動いてくださる方が多く、嬉しいです。

ライター

これからどのようなことに挑戦していきたいですか?

阿部さん

各家庭で食育を実践しようとしても、例えば、近くの都市農業公園で収穫体験をするご家庭もあれば、金銭的・時間的問題で難しいというご家庭もあると思うのです。だから保育園や小学校で、給食で出た食材を使った「はじっこお野菜スタンプ」を体験してもらえたら。子どもたちが楽しく何かを学び取れるような機会を提供したいと考えています。