足立区の未来
向けたアクション

小さな一歩の積み重ねで、
足立区の未来がつくられています。

2025.06.18
レポート

かけがえのない石の魅力を共有したい!地域の仲間と協力し合ってかなえる体験型のワークショップ

開店準備から手伝った思い入れのある「たねこじ商店」にて

繊細な色彩が美しい蛍石。磨くと優しく輝きます

天然石を「たねこじ商店」の一角で販売しています

「100人カイギ」の際に制作した自己紹介用の漫画冊子

「趣味の石」三浦さんは、足立区内を中心としたさまざまなイベントに参加し石の魅力を伝える活動を続けています。2025年4月に行われた、区内の人々の思いに触れ緩やかなつながり促進を目指すイベント「足立区100人カイギvol.1」にも登壇するなど、活躍の幅を広げる三浦さん。現在でも定期的にワークショップなどを開催しているカフェ「たねこじ商店」にて、石の魅力やこれまでの活動内容について、お話を伺いました。

PROFILE

趣味の石

「趣味の石」の名で活動する三浦さんは、天然石を使ったワークショップや手作りアクセサリーの販売を行っています。中でも、石を割って内部の結晶を観賞する「ジオードクラッキング」と、フローライトという鉱物を磨いて艶やかな輝きを引き出す「蛍石磨き」が人気。足立区内のカフェやイベントスペースを中心に活動し、2024年11月のぐるぐる博では、動員数が100人を超える盛況ぶりを見せました。

https://www.instagram.com/shuminoishi/

三浦桂子さん
足立区在住。「趣味の石」と題し区内のイベントなどで活動。

趣味の石

子どもも大人も夢中になれる、天然石と触れ合う体験をもっと気軽に

小学生時代の三浦さんは、人間関係に悩み、石をお守りにして毎日を過ごしていました。人の心は移ろいやすいものですが、天然石は何十万年、何百万年もの時をかけて形づくられ、その美しさを変わらず保ち続けます。触るとひんやりと冷たく静かな小石は、揺れ動く自分や周囲とは対照的に感じられ、三浦さんにとって特別な存在だったそう。

高校卒業後、漫画家を目指して上京した三浦さんでしたが、その後夢を断念。食品販売の仕事に就き、お客様と対面でやり取りする面白さを知りました。六町に友人がカフェ「たねこじ商店」を開いた際には、人を呼び込もうと、ワークショップの開催を計画。内部の空洞に水晶などが形成された天然石を割る「ジオードクラッキング」を通して、キラキラと輝く石の中をのぞくワクワク感を、多くの人と分かち合いたいと考えたのです。

話し相手を惹きつける三浦さんの人柄と、曜日ごとに趣向が変わるたねこじ商店のユニークさが相まって、この催しは好評を博しました。さらに、磨いた蛍石を指輪に仕立てるアイデアや、近隣店舗とのコラボ企画など、活動の幅は少しずつ広がっていきます。夏には子ども向けイベントも実施し、鉱物の硬度や産地の話を交えながら石に触れる学びの場を提供したこともあったそう。経験を重ねるにつれて知り合いから声がかかることも増え、さまざまな場所でワークショップを開くようになった三浦さんは、中でも足立区版SDGsイベント・ぐるぐる博への出店が印象深かったと話します。

100人以上が「趣味の石」のブースに訪れたというぐるぐる博は、三浦さんにとって大きな転機となりました。物珍しそうにブースにやって来る参加者たちは、石を割っては歓声を上げます。その様子を見て、単に石の魅力を伝えるだけではなく、喜びが生まれる場を創出した達成感を味わえたそうです。かつて内向的だった少女は今、イベント会場の中心で、大勢の人たちを巻き込みながら一緒に楽しんでいます。「大人の文化祭みたいでしょう?」と笑う姿からは、幼い頃の面影は感じられません。変わらない石と、少しずつ変化し続けた自分。その両方を大切にしながら、これからも三浦さんは人と石をつなぐ場を育てていきます。

関連するSDGsゴール

目標4
目標11
目標17

Words for the Next!

未来の足立を見据える「趣味の石」三浦さんの語録

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ライター

足立区にお住まいになって20年になるそうですね。まちの雰囲気で変わったなと感じるところはありますか?

三浦さん

はい。特に、活動的な女性が増えたと感じています。若者からシニアまで、「こんなことをやってみたい」と堂々と表明している方が本当に多くなりました。

ライター

三浦さんも、そうしたエネルギッシュな女性のお一人ですね。

三浦さん

足立区はマルシェやイベントが盛んで、新しいことを始めたい人が挑戦しやすい環境が整っていると思います。私もぐるぐる博に出店したことで、さらに活動の幅が広がりました。

ライター

ぐるぐる博をきっかけに、「趣味の石」の存在を知った人も多かったのではないでしょうか。

三浦さん

そうですね。「なんだかよく分からないけれども、石を割っている人がいるぞ」と、興味を持ってくださる方が増えました。やりたいことを素直に表現していい、そんな空気が私の背中を押してくれますし、ずっと住みたくなるまちを作り上げているのだと思います。