足立区の未来
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足立区の未来がつくられています。

2026.01.27
レポート

駄菓子×占いで一人ひとりに寄り添い地域を見守る出張型駄菓子屋さん

大谷田団地「BOOK MARK」にてお話を伺いました

机の上には、懐かしのお菓子やカードのほか、手作りのフェルト作品なども並びます

大谷田団地のコミュニティラウンジ「BOOK MARK」をはじめ、足立区内のさまざまな場所に現れる出張型の駄菓子屋「うらないだがしやミナミナ堂」。店頭には駄菓子やくじ引きなど子ども心をくすぐる商品が並び、開店直後から多くの子どもたちで賑わいます。心理士として働く傍らミナミナ堂を運営する南さんに、活動へ込めた思いを伺いました。

PROFILE

うらないだがしやミナミナ堂

足立区内を中心に活動する「うらないだがしやミナミナ堂」は、店舗を持たずに活動する出張駄菓子屋さん。子どもも大人も誰でも楽しめる場所を目指して、駄菓子やくじ引きの販売のほか、占いの提供も行っています。月に一度、BOOKMARKでの定期出店のほか、区内のイベントや施設での出店、外出が難しい子の家への出張販売なども積極的に行っています。

南ひとみさん
足立区在住。「うらないだがしやミナミナ堂」店主。

うらないだがしやミナミナ堂

子どもも大人も、誰一人取り残さない駄菓子屋さん

ミナミナ堂の特徴の一つに、駄菓子だけでなく占いも提供していることがあります。これは、子どもたちだけでなく付き添いの大人たちにも楽しめる場所にしたい、という南さんの思いから生まれたものでした。普段は心理士として働く南さん。お悩み相談室よりも気軽に話せる「占い」の場を通じて、普段は口に出しづらい悩みや考えをぽろっと話してくれるママさんも多いと話します。

南さんが「うらないだがしやミナミナ堂」を始めたのは、子育てに行き詰まった際に地域のイベントや声を掛けてくれる街の人々の存在に支えられていた経験から。自身も支える側になりたいと地域活動に興味を持ち、区内のローカルプレイヤー育成教室に参加したことが大きな一歩となりました。2023年秋の初出店以来、イベント出店などを重ね、現在は徐々に活動の幅を広げるミナミナ堂。駄菓子だけでなく区内で作られたアレルギーに配慮したお菓子を仕入れたり、場所を選ばずに開店できる利点を生かした放課後デイサービスへの出張出店やフリースクールでの販売体験を行ったりしています。

ミナミナ堂が目指すのは、ただ懐かしい駄菓子屋さんではありません。意識しているのは、体験の提供。子どもたちが自分で選び、悩み、決めるという購買経験を通して、思考力や結果を受け入れる力を身につけてほしいと考えています。ミナミナ堂を始めて、「何を買おうか悩んでいる子どもを待てない親が意外と多い」ことに気づいたという南さん。選ぶ過程を楽しみ、お金の使い方を学ぶことも経験と考え、子どもたちの選択を急かしたり否定したりせず待つことを心がけています。

また、過去には児童相談所などで働き、虐待について考える機会が多かった経験から、南さんは虐待の予防には地域の力が必要だと感じていました。地域の人たちとのゆるやかなつながりや何気ないやりとりに救われること。そして、相談室よりも生活に近い場所でやりとりを交わせる場所があること。それらが、地域の子どもやその親たちの様子を見守り、支えることにつながります。南さんにとって、駄菓子や占いは、コミュニケーションのツールの一つ。大人も子どもも肩の力を抜いて過ごせる場所として、「うらないだがしやミナミナ堂」は、今後もゆるやかに地域の子どもたちを支え、変わらない居場所であり続けることを目指しています。

関連するSDGsゴール

目標3
目標4
目標10
目標11

Words for the Next!

未来の足立を見据える「うらないだがしやミナミナ堂」南さんの語録

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ライター

足立区に住まれて十数年とのことですが、区の印象はいかがでしょうか。

南さん

子どもが生まれるまでは地域とつながるきっかけがなかなかありませんでしたが、人や土地柄を知った今では、住みやすく子育てがしやすいと感じています。あとは、何か地域活動をやろうと思った時に活動場所やアドバイスをくれる人達がいて、実際に行動に移しやすい環境だなと思います。

ライター

ミナミナ堂の活動のはじまりも、子育てが一つのターニングポイントだったのですね。

南さん

そうですね。ミナミナ堂も私一人でやっているわけではなく、娘や姪っ子が店番を手伝ってくれたり、義妹が装飾品を作ってくれたりと家族総出で運営していて。ミナミナ堂という共通目標のおかげで、家庭関係も上手く行き始めたところもあり、「家族でやる」こともテーマの一つになっています。

ライター

活動の今後の展望についてもお聞かせください。

南さん

規模感などは変わらず、色んな所に出張していきたいですね。今、目指しているのは、高齢者施設への出店。やっぱり子どもだけでなく大人にも楽しんでもらいたいので、高齢者の方にも駄菓子屋を通して懐かしい気持ちになってもらえたら嬉しいです。定期的なイベント出店も継続して、「またやってるよ」と思ってもらえるような、地域の定番的存在になれたらいいな、と思います。