向けたアクション
小さな一歩の積み重ねで、
足立区の未来がつくられています。
「子どもたちが生きにくいと感じない」が当たり前な社会の実現
ずらりと並んだ圧力鍋のなかで玄米の発酵は進みます
子どもたちのおにぎり代をカンパできる仕組み「木札で寄付だ」
足立区江北の飲食店「mamoru舎」。店主の守屋さんが提供するのは「酵素玄米」です。お腹を満たすだけでなく、子どもや保護者の心と体を守る場として地域に開かれたこの場所に込められた想いと今後についてお話を伺いました。
PROFILE
mamoru舎
「一汁一飯」の考えを基本に、数日寝かせた酵素玄米とお味噌汁を提供する酵素玄米の専門店。飲食物提供のほか、放課後の居場所開放や、地域住民へのスペース貸し出し、子どもたちのための独自の寄付制度の実施など、多角的に地域コミュニティを支えている。
mamoru舎
https://www.mamorusha.com/
- 守屋さやかさん
- 足立区在住。「mamoru舎」店主。
mamoru舎
酵素玄米で地域の輪を広げる
足立区江北の住宅街に、おにぎりとお味噌汁の店「mamoru舎」があります。ここで提供されるおにぎりは、玄米・あずき・塩のみを原料とし、4日間寝かせて発酵させた「酵素玄米」を使用しています。酵素玄米は栄養が豊富に含まれているかつ、お腹に優しい食べものだと守屋さんは語ります。比較的日持ちがするため、食品ロスが出にくいという環境面での利点も特徴の酵素玄米。そのおいしさを届ける「mamoru舎」は単なる飲食店としての役割にとどまらず、街で暮らす人々の交流の場という側面もあります。近所の子どもたちが学校帰りに顔を出したり、地域の方がお店のスペースでイベントを開催したりと、活気が生み出されています。
開店のきっかけとなったのは子どもの誕生と子育て。かつてはあまり食生活に気を配っていなかった守屋さんですが、わが子の誕生を機に「この子の体に入るものが怖いものであってほしくない」という想いが芽生えました。同時に、「子どもたちが帰るのを迎えてあげられる場所をつくりたい」という願いもあり、2024年の11月にお店をオープン。おにぎりとお味噌汁で完結した「一汁一飯」を中心としたメニューは、ご近所さんから酵素玄米好きの遠方にお住いの方まで、さまざまな人に愛されています。
街の人々に慕われるmamoru舎には、独自の寄付制度「木札で寄付だ」というものがあります。これは、250円のおにぎりを子どもたちが50円で購入できる仕組みです。お店を訪れた大人たちは寄付として木札を1つ200円で購入でき、買った数の木札を瓶に入れます。この木札は200円として扱えるので、子どもたちは瓶から木札を1つ取り出せば、残りの代金50円でおにぎりを購入できます。守屋さんがこの取り組みを始めたのは、夏休みにもかかわらず一日中近所の公園で過ごしている子どもがいるという噂を聞いたことでした。家庭の事情を問わずどんな子でも少しおなかが空いていれば遠慮せずお店に立ち寄ってほしい、そんな想いで活動を続けられています。ほかにも、月に一度この寄付を使って夜ご飯をみんなで食べる「木札パーティー」も開催。多くの親子が入り混じっておにぎりを囲み、にぎやかで温かい時間をともに過ごします。
守屋さんが目指しているのは「子どもたちが生きにくいと感じない社会」の実現。一生懸命に生きている子どもたちの姿を見るうちに、思い至り掲げた目標です。平和で平凡で、たとえ何か大きな取り柄がなくても楽しく生きていける、そんな社会に一歩ずつ近づくために、守屋さんは今日もおにぎりを握ります。
関連するSDGsゴール
Words for the Next!
足立区の未来を見据える「mamoru舎」守屋さんの語録
ライター
このあたりは初めて訪れました。江北はどんなところでしょうか。
守屋さん
どんな街かというほど、目立った特徴はないです。でも、子どもが多くて賑わいがあり、落ち着いた空気が流れています。広くて緑が豊かな公園が多いのも、この街の意外な魅力の1つです。
ライター
確かに子どもたちの元気な声があちらこちらから聞こえてきますね。
守屋さん
息子の友達以外でも、お店にふらっと訪ねてくれる子は多いです。ただ挨拶するだけの子もいれば、話しはじめてゆっくり過ごす子も。お店が少しずつこの街になじんできたのかもしれません。
ライター
mamoru舎を中心に守屋さんの行動が、街に優しいつながりを生み出していますね。
守屋さん
そうなっていればうれしいです。経営をしたことがなく料理人でもない私が一からお店をつくるのはとても大変でしたが、一念発起した甲斐がありました。これからも、子ども達とこの街を見守り続けていきたいです。