向けたアクション
小さな一歩の積み重ねで、
足立区の未来がつくられています。
変化することこそ、伝統。技術を次世代につなぐ松崎人形の挑戦
「anima(アニマ)」シリーズの人形を抱える松崎篤さん
江戸木目込人形の柔らかい表情が松崎人形の特徴の1つ
職人が集う工房内では松崎光正社長も一緒に人形作りに励みます
松崎光正社長が手がけた勇ましい江戸節句人形
江戸節句人形と江戸木目込人形という2つの伝統技術を受け継ぐ松崎人形。暮らしや価値観が変わる時代の中で、節句のあり方そのものを見つめ直しながら新たな人形の魅力を生み出しています。技術と文化を守りながら、未来へつなぐ姿勢やその取り組みについてお話を伺いました。
PROFILE
株式会社松崎人形
足立区に工房とショールームを構え、江戸節句人形と江戸木目込人形を制作。伝統技術を軸に、現代の暮らしに寄り添う人形作りを行っています。
株式会社松崎人形
https://www.koikko.com/
- 松崎篤さん
- 株式会社松崎人形専務取締役
株式会社松崎人形
節句を越えて広がる表現と、新たな挑戦
100年以上の歴史を持つ株式会社松崎人形が手がけるのは、経済産業大臣指定の伝統的工芸品である、「江戸節句人形」と「江戸木目込(きめこみ)人形」の2つです。江戸節句人形は、体の形を模した芯に衣裳となる着物を縫い付ける手法の人形です。着物や甲冑を本物同様に仕立てた上で着せ付けられるため、精巧で華やかな仕上がりになります。一方、江戸木目込人形は胴体に彫った溝に布地の端を埋め込んで、衣裳を着せたように見せる人形です。胴体の形を決めて造られるので、縫製を想定した江戸節句人形より造形の自由度が高いのが特徴です。
同社はもともと江戸節句人形を中心に人形作りをしていました。しかし、現代は住環境や家族構成の変化により、お祝い事で大型の人形を飾ったり贈り合ったりすることが減りました。需要の減少を受け、3代目で現社長の松崎光正さんが挑戦したのが木目込人形作りです。美術大学で彫刻を専攻し造形を学んだ知見を活かし、木目込人形の
「変化することこそが伝統」と語る4代目で専務取締役の松崎篤さんは、人形作りだけでなく、今のライフスタイルに合った新たな節句のあり方を模索しています。なぜ人形を飾るのか、その由来や楽しみ方を解説した小冊子『節句人形読本』の制作もその一環です。「節句という行事を通じて、親子が一緒に人形を飾り、会話を楽しむ。その豊かな時間や思い出こそが、私たちが届けたいものです」と松崎篤さんは語ります。形ある人形を売るだけでなく、そこに生まれる家族の交流や体験という「物語」を丁寧に伝えること。これからの時代に伝統文化を息づかせていくための、松崎人形の大切な役割の1つになっています。
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Words for the Next!
未来の足立を見据える「株式会社松崎人形」松崎篤さんの語録
ライター
長くご在住ですが足立区の魅力はどういったところに感じられますか?
松崎さん
意外かもしれませんが、「ものづくりの街」という側面があります。革の加工で世界的なブランドに商品を卸している方もいらっしゃいます。技術力のある企業が切磋琢磨し、刺激し合っています。
ライター
なるほど、そういう魅力もあるのですね。
松崎さん
あとは、子どもが増えているのがとても魅力だなとも思います。工房でクリスマスオーナメント作りの体験イベントを開催すると、近所の子どもたちがたくさん参加してくれました。元気に育っていく姿を見て過ごせるのも、いいところだと思います。
ライター
にぎわいがあり、発展の余地がまだまだある街なんですね。
松崎さん
再開発も進んでいるので、新しい成長期を迎えているなとワクワクします。