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2024.12.20
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【開催報告】あなたのアイディアで足立区の子どもの未来を守ろう! ~不登校児が地域に埋もれないように~  社会福祉法人ソーシャルデベロップメントジャパン

あだちSDGsパートナーである社会福祉法人ソーシャルデベロップメントジャパン主催の
イベントが2024年12月11日(水)にあやセンター ぐるぐる(足立区綾瀬)にて開催さ
れました。アイディアコンぺとして開催された本イベントは約20名が参加しました。

親子に寄り添うワンストップ子育て総合相談窓口「SKIP」
今回のイベントは、足立区内の支援団体である社会福祉法人ソーシャルデベロップメント
ジャパンをはじめ、一般社団法人チョイふる、株式会社ひいらぎの3団体で立ち上げた
「SKIP」をもっと利用して欲しい、といった目的で企画されました。

「SKIP」(Stand by KIds & Parents)とは、足立区で子育てをする保護者保護者と子ども
を応援する支援団体。SKIPには「親子に寄り添う」という意味が込められています。発達
特性、医療的ケア、お金・生活の困りごとなど、お子さんやご家庭のことについて、無料
で専門家や支援団体に相談できるサービスです。

「SKIP」の課題としては主に3つあります。
1、    連携体制(専門家・支援団体)の不足
2、    資金調達
3、    利用率が低い

お子さんやご家庭の悩みについて、幅広く相談してもらえるような体制を目指していますが、医療的ケア(ソーシャルデペロップメントジャパン)、発達障害(ひいらぎ)、生活困窮(チョイふる)はそれぞれ支援団体がいるものの、いじめやLGBTQ+、外国人などそのほかの問題についてはまだ支援団体が不在です。また、連携を強化しサービスを拡充していくためには、参加する支援団体への報酬の原資が不可欠です。

3点めについては、チョイふるが困窮子育て家庭250世帯を対象に行った「2022年度生活実態調査」において、既存の支援について利用しない理由を聞いてみたところ「利用したいが今までこの支援制度を知らなかったから」「利用したいが、手続きが分からなかったり、利用しにくいから」という方が約45%もいたとのこと。厚生労働省の調査でも母子世帯の公的制度等の周知状況については、「制度を知らなかった」の割合がひとり親家庭支援施策については3~6割となり、認知度は高くないという結果が出ています。

イベントを通して、団体や企業とのつながりを増やすことで連携体制の拡充を目指すことはもちろん、サービスの利用率をあげるにはどうすればいいか、一緒に考えてもらいたいというのが今回の主旨です。

冒頭、SKIPの説明を行うチョイふる 栗野 泰成さんは、困窮子育て家庭が支援制度やサービスを利用できない・しづらい背景には、2つの問題があると指摘します。一つは「問題の複雑化・複合化」。貧困や虐待、不登校など深刻で複雑な悩みほど支援領域が複数にまたがるため、一度に多量の情報に対応する制度やサービスがないということです。もう1つは支援や相談窓口が散在している点があげられます。これらの背景をうけ「適切な支援制度・サービスが案内され、伴走者による制度活用サポートがある状態を作りたい」と考えSKIPを立ち上げました、と栗野さんは話します。
 

不登校児が地域に埋もれないようにするにはどうすればいいか
今回のイベントはVol.1ということでテーマは「不登校」。パネルディスカッションでは、トーキョーコーヒーあだちかつしか主宰の泉 美智江さん、東京未来大学フリースクール東京未来大学こどもみらい園 教室長 池田準さんをゲストスピーカーとして迎えました。
トーキョーコーヒー泉さんは「不登校は子どもの問題ではなく大人の無理解が原因ではないか、そこをアップデートして学校を楽しくしたいと思い活動しています」と話します。トーキョーコーヒーは全国に拠点があり、多様な人が集まり〝大人が〟楽しく活動(農業、編み物、ダンス、料理などなんでも)をする場所。まずは大人が安心できる仲間と活動に打ち込み、子どもたちはそこで自由に時間を過ごし、そのうちに子どもが主体的に何かやりたくなったらそれを応援する、そんな場所を目指しているそうです。泉さんは「子どもたちにはここにいていいんだよと話し、学校休んでいるの?など悲しい言葉をかける大人がいない、そんな安心できる場所をつくっています」と話します。
東京未来大学池田さんからは「我々のフリースクールは学校の代わりに来る場所、遅刻しても早退してもいいからまず来ることからスタート。ここにたどり着いてくれれば幸せだと思うが、たどり着くまでに苦労している方が多い」との課題があげられました。池田さんの学校では150名ほどの児童を抱えているようですが、足立区では不登校児が約1,200名いるとのこと。「不登校には虐待や貧困など問題が重複しているケースが多い。ただどういう問題を抱えているのか我々では深くまでは分からない。SKIPのようなそういう場所に繋げられるといいなと思います」と話します。様々な制度やサービスがあり、学校や病院の紹介、SNSで知ったとしてもそこからアクションがとれるかとなるとなかなか難しいという点も障壁になっていると、登壇者たちから参加者に話がありました。


アイディアワーク:不登校に関して「相談してみたい」と思ってもらえる方法とは?
パネルディスカッションを受けて、参加者は7グループに分かれてアイディアワークに取り組み、各グループで活発な意見交換やアイディア出しが行われました。最後には各グループからアイディア発表がありました。
 
アイディアを一部ご紹介すると、
・イラストを使うなど子どもも大人も見て分かりやすいリーフレットをつくり、スーパーや学校、図書館など、生活の導線に置いたり、子どもが楽しめるイベントを開催し配布する
・子どもがカードを集める・登録するなどしたらポイントがたまる、それによって子供たちに広がるのではないか
・エンジニア、音楽、料理スタジオ、イラストなど将来につながるような情報を提供する
・不登校に悩むママ向けのリラックスサークルを開催する
・信頼できる情報源である、信頼できる大人がいるということを伝えるために顔が見える状態が良いのではないか
・児童館の人がSKIPのカードを渡しガイダンスしてあげるような社会全体でアクション出来ると良い
・最後まで関わりにいく、というメッセージを出す。たらいまわしにしない、同じ話を親が何回もしなくてすむように当事者がSKIPとだけ話をすればいいようにする
など、具体的なアイディアがたくさん出てきていました!

これらの中から審査が行われ3位までが決定し、それぞれのグループに主催者から景品が渡されました。
 
今回のアイディアを受けて主催者であるソーシャルデペロップメントジャパン矢部さんは「正直、このイベントを開催するまでは小さな法人の代表がたった3人で始めたサービスなので、本来のニーズにマッチしているのか不安が大きかったのですが、参加者の皆さんがワークに取り組む姿、発表の内容を聞くうちに、SKIPの設立が多くの区民の想いを形にしたものなのかもしれないと、どこからか勇気がわいてきたのを実感しました。大きな力に、背中を押してもらった気持ちです」と話しました。今回多くのアイディアが出たなかで審査が行われましたが、基準は大きく3つありました。資金面、マンパワーを含めた実現性。支援が届かない層への継続的、具体的アプローチとなり得るかの将来性。そして、支援団体のメンバーや、ユーザーがわくわくする内容か、信用出来るかの親和性です。1~3位のグループは、すでに存在している社会資源や催し物、習慣を上手に取り入れており、立案の出発点が子ども目線に立っているという部分で評価が高かったそうです。
また今後については「相談への重要な動線となるカードは、ちょうど増刷する予定だったので、今回頂いたアイディアで子どもでもわかりやすく、何だか楽しそうと思えるデザインを追求してみたいと思います」とのことです。本イベントはVOL.2も開催予定とのことですので楽しみです!

「あだちSDGsパートナー制度」では、あやセンター ぐるぐるで開催する企画の支援を行っています。自分たちの活動をもっと知ってもらいたい、考案中のプロジェクトを実現させるために仲間や協力を募りたい、といったパートナー企業・団体の方がいらっしゃいましたら、ぜひ運営事務局のYUIDEAまでご連絡ください。
※「あだちSDGsパートナー」企画ご応募受付中! お問い合わせ・受付は下記のメールへどうぞ。
株式会社 YUIDEA(ユイディア) 内藤・ 吉田 宛 adachi_sdgs@yuidea.co.jp